脳神経外科医として活躍されている先生に、変形性脊椎症がどのように発生するのか、ピラティスがなぜ有効なのかを実際にピラティスを体験してもらったあとに、お聞きしました。

 

変形性脊椎症について 

 

私は脳神経外科医で、主に脳血管障害や脊椎疾患の診療に従事し、麻痺や痺れがあってお悩みの方々に対して治療・手術を行っています。  

 

変形性脊椎症は、脊椎を支える椎間板や靭帯、骨の変性が生じる状態で、これは加齢に伴う変化です。進行すると体のゆがみや神経の圧迫が生じ、慢性的な痛みや痺れを引き起こします。  

 

予防の大切さ 

 

変形性脊椎症は基本的には年齢とともに進行する病気です。私は病院で手術の選択肢しかない患者さんを多く診てきました。また、投薬治療で症状が改善することもありますが、それは変性を止めるものではありません。ですので、発症や進行を予防するアプローチが重要です。 

 

予防のアプローチは、静的・動的に良い姿勢を保つこと、つまり体幹筋力を鍛え、健常なボディ・アライメント(身体・各部の相対的ポジショニング)とバランスを維持することです。アライメントの不良が生じると、全身での代償機構が働いてバランスを維持しようとするため、身体に余計な負担が生じて変性が進んでしまいます。  

 

脳外科医としてピラティスは、どこがおすすめですか? 

 

ピラティスは姿勢を良い状態に保つのに必要な体幹の筋力を無理なく鍛えることができます。具体的には、適切な姿勢を維持しながら脊椎や骨盤周囲の筋力と柔軟性を高めることができます。これにより脊椎の変性を予防することが期待されます。  

 

ピラティスを始めるには何から実践するのがおすすめですか? 

 

ピラティスの動きは骨盤を適切なポジションにおいて、椎体や四肢を動かす複雑な運動であり、初めて行う方には見よう見まねでできるものではありません。最初は1対1で細かくフィードバックをもらいながら実践することで、姿勢の改善を実感できるでしょう。

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