FTPピラティス資格とは?他資格との比較や取得方法を徹底解説
2025年5月7日
2025年5月7日

人生100年時代における健康寿命の延伸や、パソコンやゲームによる運動不足解消、ダイエットなどの目的で、今幅広い世代でピラティスが注目されています。
また、ピラティスの人気が高まるにつれてピラティスインストラクターの仕事も注目されるようになりました。
ピラティスインストラクターは専門知識やスキルが必要な仕事のため、資格取得がおすすめです。しかし、いざ資格を取得しようとしても何の資格を取得したらよいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、数あるピラティスの資格の中から初心者に特におすすめの「FTPピラティス資格」について取り上げます。
FTPピラティスの特徴や取得の流れ、取得にかかる費用やサポート体制、他の資格との比較などについて詳しく解説します。特にピラティスの資格をこれから取得しようと思っていて、基礎からしっかり学びたい人はぜひ一読してください。
目次
FTPピラティス資格とは?
まずはFTPピラティスについて学んでいきましょう。
本項では、
- FTPとはどんな団体?
- FTPピラティス資格の特徴と魅力
- どんな人におすすめの資格?
の3点について詳しく説明します。
FTPとはどんな団体?
FTP(Fit to Perform)は、1991年にフィットネスに携わるあらゆるカテゴリーの専門家を育成することを目的にイギリスのロンドンで設立されたフィットネスの教育団体です。
FTPは最高の効率と実践性をコンセプトに、高い技術を持つインストラクター育成コースを提供していて、現在までに約1,000人以上のインストラクターを輩出しています。
FTP JAPANは、FTPが認定する日本のトレーニングセンターです。
FTPは、ピラティス業界最大の団体で、現在日本国内のピラティスインストラクターの約70%がFTPに所属しています。
FTPピラティス資格の特徴と魅力
FTPピラティス資格には、以下のような特徴や魅力があります。
- マットピラティスに特化している
- 取得時間が短く受講費用がリーズナブル
- 国内外で広く認知されている
それぞれの特徴と魅力について以下で詳しく説明します。
マットピラティスに特化している
FTPピラティスは、マットピラティスに特化したコースが多いことが特徴の一つです。
マットピラティスには34の基本エクササイズがあり、初心者向けと上級者向けの2種類のコースに分けて段階的に学べます。
マットピラティスは、マット1枚あれば場所を選ばず行えるため手軽に始めやすいことから日本では主流のピラティスになっています。
そのため、マットピラティスの基礎を深く学べるFTPピラティス資格を取得すれば、市場のニーズに応えられるインストラクターとして活躍できる機会が多くなるでしょう。
取得時間が短く受講費用がリーズナブル
取得時間が短く、受講費用がリーズナブルというのもFTPピラティスの魅力になっています。
FTPは他の国際的なピラティス資格と比べても比較的安価です。
また、初心者向けのFTPベーシックマットピラティス養成コースでは受講資格の条件はなく、30時間程度のコースと実技・筆記試験で資格取得ができます。
費用や取得時間については後ほど詳しく紹介します。
国内外で広く認知されている
FTPピラティス資格は国内外で広く認知されていて、資格取得者は専門性の高さと質の高さが国際的に証明されます。
そのため、資格を取得すればピラティスインストラクターとしての自信がつき、お客様との信頼関係も築きやすくなるでしょう。
国内だけでなく海外での活動を視野に入れている人にもおすすめの資格です。
どんな人におすすめの資格?
FTPピラティス資格の特徴から、FTPピラティス資格は以下のような人におすすめだと考えられます。
- ピラティス未経験者・初心者または運動経験がない人で基礎から深く学びたい人
- マットピラティスを学びたい人
- 短期間でリーズナブルに資格を取得したい人
- 質と専門性が高い指導スキルを身に付けてお客様から信頼されるインストラクターになりたい人
- 海外での活動も視野に入れている人
当てはまる項目がある人は、ぜひFTPピラティス資格の取得を考えてみてください。
FTPピラティス資格のカリキュラムと取得の流れ
FTPピラティス資格を取得するためにはまず、カリキュラムと取得の流れを知ることが大切です。
本項では、
- FTPピラティスの資格コースの種類
- FTPベーシックマットピラティス養成コースの内容
- 受講スタイルと取得にかかる期間
- 試験内容と合格率
について以下で詳しく解説します。
FTPピラティスの資格コースの種類
FTPピラティスの資格コースは主に以下の8つのコースがあります。
- FTPベーシックマットピラティス養成コース(FTPピラティスの基本的な理論や技術を学ぶコース)
- FTPベーシックマットピラティスプラス養成コース(基本的な動作から高度なテクニックまでを学ぶコース)
- FTPマタニティピラティス養成コース(妊娠中・後の女性に向けたピラティスの指導スキルを学ぶコース)
- FTPスタンディングピラティス養成コース(ピラティスマットエクササイズを立位で行うことで重力を利用した機能的なピラティスを学ぶコース)
- FTPシニアピラティス養成コース(高齢化社会におけるシニアや制限がある人に向けたピラティスを学ぶコース)
- FTPパーソナルピラティス養成コース(1対1のパーソナル指導向けに計算されたピラティスを学ぶコース)
- FTPベーシックリフォーマーピラティス養成コース(全ての人々に適したモディフィケーション、リフォーマーに関するプログラムに重点を置き、 基本的なプログレッションやバリエーション、ピラティスエクササイズの背景にある理論を学ぶコース)
- レベル2 FTPリフォーマーピラティス養成コース(FTPベーシックリフォーマーピラティスを発展させたコースで、FTPベーシックリフォーマーの資格保持者が受講できる)
本記事では、初心者にもおすすめなFTPベーシックマットピラティス養成コースをとりあげ、次項で詳しく説明します。
FTPベーシックマットピラティス養成コースの内容
FTPベーシックマットピラティス養成コースは、マットピラティスの基礎技術や指導方法を身に付けるコースで、初心者にもうってつけです。
受講資格がないため、誰でも受講することができます。
理論では、
- ピラティスとは
- ピラティスの歴史
- 8つの法則
- 解剖学
- ピラティスのABC
- ピラティスムーブメントのコンセプト
- 骨粗しょう症の症状・予防法・安全上の注意
- 妊娠とピラティス
- 指導者としての心得
- プログラム作りの基礎
などを学びます。
実技では、
- ピラティスエクササイズの解説と実践
- キューイングの練習
- グループでの指導練習
などを学びます。
筆記試験と実技試験の両方の合格者には、FTP Basic Mat Pilates Instructorの認定証が発行されます。
受講スタイルと取得にかかる期間
FTPベーシックマットピラティス養成コースの受講スタイルは、対面とZoomオンラインの2種類から選べます。
資格取得には、基本コースの受講にかかる30時間と受験(筆記試験・実技試験)にかかる1日が必要です。
試験内容と合格率
FTPベーシックマットピラティス養成コースの試験は、筆記試験と実技試験で構成されています。
筆記内容は講習で学んだ内容から出題され、実技試験はコースで学んだエクササイズから3つを選んで指導実演をします。
試験の合格率は非公開ですが、コース内でしっかりとした指導を受けられることと、十分な練習時間が確保されていることから、合格率は一般的に高いといわれています。
ただし、合格するためには積極的な学習や練習が必要です。講義を聞き流しているだけでは合格は難しいため、学習意欲をしっかり持ち自主的に勉強するようにしましょう。
FTPピラティス資格の費用とサポート体制
本項では、FTPピラティス資格の費用とサポート体制について説明します。
- 受講料の目安と費用に含まれる内容
- 分割払いや助成金制度
- 資格取得後のサポート・フォロー体制
について詳しく見ていきましょう。
受講料の目安と費用に含まれる内容
FTPベーシックマットピラティス養成コースの受講料は養成スクールや期間などによっても変わってきますが、20万円前後が目安となります。
費用に含まれるものは、
- 受講料・実技指導料
- 教材費
- 資格登録料・認定料
- 筆記・実技試験の受験料
- 修了証の発行費
などです。
分割払いや助成金制度はある?
FTPベーシックマットピラティス養成コースは、養成スクールによって様々な分割払いに対応しています。
クレジットカードなどによる分割により、3~60回払い、ボーナス払いなどの選択が可能です。
また、初回のみ支払額が決まっていて、その後の分割払いについては要相談というところもあるので、詳しくは養成スクールに問い合わせてください。
助成金制度については、残念ながらFTPピラティス資格の取得に利用できる公的な助成金制度や給付はありません。
ただし、自治体やご自身の雇用状況によっては助成金制度を利用できる可能性もあるため、ハローワークや自治体に直接問い合わせてみることをおすすめします。
資格取得後のサポート・フォロー体制
FTPベーシックマットピラティス養成コースの資格取得後のサポート・フォロー体制は、養成スクールによって違いますが、例えば以下のようなサポートが挙げられます。
- 卒業後の就職活動や開業のサポート
- スキルや知識をアップデートするためのセミナー
- 継続的な学習をサポートする勉強会の開催
- 自主練習のためのスタジオ利用
資格取得後のサポート・フォローは、ピラティスインストラクターとして活躍するための重要なポイントとなります。
そのため、養成スクールを選ぶ際はどのようなサポート・フォロー体制があるのかや自分に合ったサポートなのかなどを詳しくチェックしておきましょう。
FTPピラティスと他資格の比較
ピラティスの資格には、さまざまな種類があります。
本項では、FTPピラティスと他の資格を比較するため、
- BASI・STOTT・PHIとの違い
- 目的別に見る資格の選び方
の2点について詳しく解説します。
BASI・STOTT・PHIとの違い
FTPピラティスとBASI・STOTT・PHIとの違いを表で比較してみましょう。
資格 | 特徴 | 取得時間 | 取得費用 | 初心者 | 国際的な認知度 |
FTPピラティス |
|
FTPベーシックマットピラティス養成コースの受講時間は、30時間程度 | FTPベーシックマットピラティス養成コースの受講料は20万円前後が目安 | 初心者にも分かりやすい指導が受けられるため、初心者にうってつけ | イギリス発祥の団体であり国際的な認知度もある |
BASIピラティス |
|
マットの認定資格は、早い人だと4か月、通常は半年から1年ほどかかる | マットピラティスコースは、
|
マットコースは、初心者でも受講可能
段階的に知識とスキルを身に付けられる |
世界最大規模のピラティス教育団体で国際的な認知度は非常に高い |
STOTT PILATES |
|
初中級マット(IMP)コース
通常、数週間から数か月かかって取得する |
初中級マット(IMP)コースの取得費用は約20万~30万円が目安 | 一番最初にスタートする初中級マット(IMP)コースがある | 世界中で認知されているブランドで、海外での就職活動にも役立つ |
PHI PILATES | 理学療法士によって設立された団体で、 ・理学療法に基づくメソッド ・姿勢改善・体幹強化を重視 ・アスリートから高齢者の指導、リハビリテーションなど幅広く活用されている |
PHIピラティスマットインストラクターの養成コースは4日間で受講が可能
試験対策で1か月ほどかかるため、取得期間は2か月が目安 通常、数週間から数か月かかって取得する |
Mat Ⅰ/Ⅱ インストラクターコースの取得費用は、15万~25万円が目安 | Mat Ⅰ/Ⅱ インストラクターコースは、初心者から中級レベルのマットピラティスを学べます。 | 国際的にインストラクターとして活動ができる |
目的別に見る資格の選び方
目的別に資格を選択する際には、以下を参考にしてください。
- FPTピラティス:初心者向けの丁寧な指導を受け、短時間・低価格で資格を取得したい場合
- BASIピラティス:ピラティスの基礎知識から呼吸法や解剖学、姿勢チェックの分析などの応用的な内容まで幅広く学びたい場合
- STOTT PILATES:運動科学やリハビリテーションに基づいたメソッドを身に付けたい場合
- PHI Pilates:トップアスリートから高齢者までの指導やリハビリテーションに活用できるピラティスを身に付けたい場合
上記はおおまかな傾向ですので、ご自身の目的に合った資格を選ぶ際には最新の情報を各資格の公式ウェブサイトで確認するようにしてください。
よくある質問|FTPピラティス資格Q&A
本項では、FTPピラティス資格についてのよくある質問を3つご紹介し、回答します。
FTPピラティス資格だけでインストラクターになれる?
FTPピラティス資格の保持だけでピラティスインストラクターになることは可能です。
そもそもピラティスインストラクターの資格は国家資格ではないので、資格がなくてもインストラクターを名乗ることが可能ですが、FTPピラティスの資格を取得すれば、ピラティスを基礎から丁寧に学び、質の高いレッスンを提供できるという証明になるため、お客様からの信頼を得やすくなりますし、自信を持ってインストラクターの仕事ができるようになるでしょう。
また、資格を活かしてピラティスの専門スタジオで雇用されて働くこともフリーランスとして独立して活動することも可能です。
通信(オンライン)でも取得できる?
FTPベーシックマットピラティス養成コースの講習は、オンラインで受講が可能です。
ただし、実技指導や試験は対面で行われることが多いです。そのため、オンラインでの受講がどの程度可能かは各養成スクールに問い合わせてください。
資格の更新制度や有効期限はある?
FTPピラティスインストラクターの資格は、1年ごとの更新手続きが必要です。資格の更新には、必要な条件を満たさなければなりません。
資格更新に必要な条件は以下の通りです。
- 年会費である10,000円を納めている
- 継続教育単位(FTP JAPANが継続教育として公認したワークショップ、ブラッシュアップ、講習会、FTP JAPANが別途定めたものを受講して得る単位)を1年間で6ポイント取得している
継続教育の対象になるワークショップなどは、FTP JAPANの公式ホームページで随時公開するので確認してください。
まとめ|FTPピラティス資格は初心者にもおすすめの第一歩
今回の記事では、FTPピラティスの特徴や取得の流れ、取得にかかる費用やサポート体制、他の資格との比較などについて解説してきました。
FTPピラティス資格のFTPベーシックマットピラティス養成コースは、初心者向けの丁寧な指導を受けながら、ピラティスの実践的な指導スキルを身に付けられるコースです。
また、短時間・低価格で資格を取得できるというメリットもあるため、初めてピラティスインストラクターの資格に挑戦する人にとっておすすめの第一歩といえます。
ピラティスインストラクターは資格がなくてもなれますが、お客様の身体に責任を持つ以上資格取得は不可欠です。
資格を取得することにより、インストラクターとしての専門的な知識やスキルが身に付き、お客様からの信頼も得られます。
ピラティスインストラクターの未経験者でどの資格を取得しようか迷っている人は、まずは自分に合う養成スクールを選んでFTPピラティスの資格取得から目指してみるとよいかもしれません。
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